2015年7月20日月曜日

プジョー308 に VWパサート・・・欧州COTYってどういう基準?

  欧州ブランドと聞くとなんだかカッコ良くて華やかなイメージがあるかもしれないですけど、実際に欧州各地で見かける乗用車は、やたらと汚らしくて地味なものが多かったりします。日本の雑誌は謙虚で自国のメーカーに対して厳しくて「マツダのデザインはやっと欧州水準だね・・・」くらいなニュアンスが多いですが、アメリカやドイツの雑誌では「マツダカッコ良過ぎ!日産もカッコ良過ぎ!もはや普通車ブランドの次元ではない!」くらいに書かれたりするんですよ!(それはそれで褒め過ぎじゃね?と感じたりもするのですけど)

  「世界の自動車オールカタログ」などを眺めていると、海外ブランドで日本未導入のクルマは、日本で売っても絶対に売れないだろコレ・・・ってクルマが多いです。日本で目にする輸入車とは全くデザインの質が違うのですよ。このギャップは一体何なんだ?・・・日本で売れている輸入車と言えば、1位メルセデス、2位VW、3位BMW、4位アウディ、5位ミニ、6位ボルボ、ここまでが1ヶ月で1000台以上を売る能力があるインポートブランドです。この6社は日本を主要な市場と見做して、日本人が好きそうなデザインのクルマを投入する努力を続けています。日本車よりも日本的なデザインを創る6ブランドですね。

  一方で日本のユーザーの嗜好なんて全く意図していないであろう欧州フォードは、フォーカスもフィエスタもなんだか欧州ローカル感が剥き出しで、そのせいか日本ではさっぱりです(新型マスタングは大好評ですが)。結局のところ日本で欧州車に乗る人ってのは、そのほとんどが欧州的なライフスタイルなんてどうでもいい(何の価値もない)と思っているわけです。「そのままの欧州車」ではなくて、「日本市場の嗜好をブレンドした欧州車」を見て、やっぱり欧州車はカッコいいな!とか思っているわけです。彼らに本質が欠如している!なんて言葉をぶつけるのは野暮ですし、やはり日本人のデザインセンスは海外でも高く評価されてますけど、かなり高いレベルにあります。フェラーリやマセラティの近年の代表作をことごとく仕上げたのは日本人デザイナーです。

  2000年代に日本で業績を伸ばしたアウディは、日産からスカウトした和田智のデザインによって見事にブレークスルーを果たしました。BMWもクリス=バンドルのやたらとゲイっぽいデザインが、アメリカなどではかなり反発を受けつつも、日本ではクルマにあまり詳しくないミーハー層に受け入れられました。永島譲二という日本人デザイナーがこの時期のBMWで大きな仕事をしていて、東アジアだけは好調にセールスを伸ばしましたので、なんだかんだで日本人向けのデザインだったと言ってよさそうです。とりあえず現在のところ近所で最も多く見かけるセダンは間違いなくBMW(3シリーズ)です。

  ちょっと余談で初心者にはマニアック過ぎる話ですが、近所で見かけるとテンション上がるセダン(Dセグ以上)のランキングです。

(低い=多い&見飽きた)3/5シリーズ→C/E/CLSクラス→クラウン/マジェスタ→A4/6→マークX/カムリ→LS/GS/IS/セルシオ/アリスト/アルテッツァ→フーガ/シーマ→アコード→レガシィ→ブレビス/SAI/アベンシス→アテンザ→スカイライン/ティアナ→レジェンド→ヴェロッサ→アルファ156/159→ウィンダム→インスパイア→ミレーニア→ディアマンテ(高い=希少&クール)

大体の感覚としてはスカイライン/ティアナくらいまでは、ごくごくありふれた存在です。ジャガーとかマセラティとか見かけることもありますが、とりあえず挙げるのは遠慮しました。まとめて見ると、やはりBMW、メルセデス、トヨタ、アウディ、レクサスといったブランドは良くも悪くも「無難」でマジメなサラリーマンから絶大な支持を得ているようです。とりあえず近所(東京西部)を見る限りでは絶対的に多いです。

  しかしそんな「無難」なデザインのクルマが集中的にユーザーに選ばれているおかげで、日本を走る高級車(セダン)はそれなりに品格があっていい!と感じます。もし日本で「ヒュンダイ・ジェネシス」「キア・オプティマ」「シュコダ・オクタビア」「リンカーンMKS/MKZ」「ダッジ・チャージャー」みたいなクルマが我がもの顏で走ってたら最初は物珍しいかもしれないですけど、こんなクルマばっかりだったらやっぱり街の景色に合わないですし・・・。

  「日本に合わないデザイン」という理由でこれまでも散々に日本市場から無視されてきたクルマの1つがVWパサートだと思うのですが、相変わらず新型もやはり日本にやってくるようです(北米向けジェッタの方が売れそうですけどね)。どれだけ勝算があるのかわからないですけど、価格は329万円〜となっていて円安の割にかなり謙虚な価格設定です。レガシィやアテンザとほぼ差がないですし、3シリーズと比べるとハッキリ(100万円!)安いので、引き寄せられる人もそれなりに居そうですね。しかしレガシィ、アテンザと並んだところで新しさを全く感じないデザイン(VWらしさ?)ですから、ミーハーでもそう簡単には契約しないでしょう。

  さてVWもプジョーも「ディーゼル出す出す詐欺」とでもいいましょうか、本国で主流となっているクリーンディーゼルをなかなか日本に持ってこようとしません。2015年の初頭にイギリス雑誌が出した「恩恵ある50モデル」という企画は、英国で販売されている全車種の中から、英国人の生活に役立っていて幸せにさせてくれるクルマ50台を発表してました。英国ではフォードやボクスホール(オペル)に次いで3大ブランドに位置するVWからランクインしたクルマは、コスパに優れた「up!」とハイスペックに振った「ゴルフR」とディーゼルを装備した「ゴルフTDI」の3台でした(影響力のない日本車はトヨタ、マツダ、スズキから1台ずつ・・・)。

  VWに限った話ではなく、BMWもマツダも同じですがとりあえず中型以上の普通乗用車はディーゼルじゃないと土俵に上がれませんよ!ってのがリアルな欧州の評価のようです。だったら最初からそのディーゼルを日本に持ってこいよ!って思うのですが、まあいろいろとややこしい事情があるようで、ゴルフもプジョー308も未だに実現していません。いっそのことディーゼルの準備が出来てから、満を持して日本で売ればいいと思うのですが、プジョー308は2014年中に、VWパサートは2015年中に日本に持っていかないと、せっかくたくさんのプロモーション費用を払って獲得した「欧州COTY・イヤーカー」の看板が無駄になってしまうという事情もあるようです。

  VWが日本をナメてるなと思うのは、ゴルフもパサートもアメリカではすでにディーゼル(TDI)が発売されているってことです。新型パサートもすでに販売を開始していて、1.8Lターボ(170ps)と2.0Lディーゼル(150ps)と3.6Lガソリン自然吸気(280ps)の3種類から選べるという極めて健全なラインナップが敷かれています。しかし日本ではゴルフと同じ1.4Lターボ(150ps)の1グレードから始まって、追加が予定されているのが、2.0Lディーゼルの超強力版(240ps)とPHVなんだそうです。これはどうやら・・・ボッタクリが始まる予兆か?。とりあえず北米でアテンザやレガシィよりも断然に安い戦略価格(21000ドル)で売っている1.8Lターボを日本でも売ってみたらどうでしょうか?


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2015年7月9日木曜日

スバルとBMWがどちらも魅力がない理由・・・

  初心者でもクルマに興味を持っていれば、割合に早く解ると思うのが、この2つのメーカーが結構グダグダなクルマ作りをやっていることです。もちろんどちらも日本市場では高性能車ブランドとして知られてますけど、ハードルが上がり過ぎているせいでしょうか?どうも腑に落ちないクルマばかりな印象です。(以下少々、過激な意見が続きますご了承ください!)

①「ターボを重要視するブランドに期待すべきではない」

やっぱりスバルとBMWに共通する点はターボチャージャーを積極的に利用する点ですね。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、自らをクオリティカー・ブランドだと称するのであれば、この部分(ターボの採用)が一番理解できないところではあります。ターボそのものをスポーティなクルマに使用することを全面的に否定するわけではないですが、日産GT-R、ポルシェ911ターボ、フェラーリ488GTB・・・といったターボを使うスポーツカーには「異次元の速さ」という大きな名目があります。それに対してスバルやBMWのクルマを見る限りはそういったお題目はないようで、この両ブランドは「ターボ」という言葉の響きから伝わる安易なイメージでクルマを売ることを戦略の主眼に置いているのでは?という疑念が浮かびます。

オマエの疑念なんてどうでもいい!と言われそうですが、本来は「納得」して買うべき価格帯のクルマに、「疑念」が差し込まれてしまっては、もはやクルマとして「評価対象外」でしかないです。ミニバンやエコカーのようなそもそもの目的が違うクルマもまた「評価対象外」なのですがそれらと全く同じ扱いです。いつからスバルやBMWのクオリティカーはこんな意味不明なコンセプトしか持たなくなったのか?・・・そりゃ、どちらもSUVの開発がオイシイことに早々に気がついてしまったからなのでは? そういえばマツダもCX5発売後のモデルはどれもこれも機敏さに欠けていて魅力を大きく損なっているし、今度はさらにターボも投入するらしいし・・・これはいよいよ由々しき問題です。

②「走る・曲る・止まる・・・そこに妥協はないのか?」

マツダの場合はまだまだクルマの味付けにとても消せないであろう凄味があります。アテンザに乗れば「これはセダンだ!」と言わんばかりの主張が、結構ハッキリと受け止められます。電動ステアの熟成度はブランド全体を通して非常に高いレベルにありますし、何よりミッションとエンジンをどちらも内製している日本メーカーの強みを存分に発揮したユニットにはそれなりに説得力があります。残念ながら自動車の生産技術がこれだけグローバル化してきた現代では、マツダのように主要部分は全て自社で作るという「当たり前」のことをやるメーカーは少数派になりつつあります。

ミッションに関しては、自社で開発するよりも、世界的に評価されているサプライヤー(部品メーカー)のものを使った方がいいケース(メルセデスなど)もあるでしょうが、クルマ作りがサプライヤー主導になって、極端な話がミッションによって作れるクルマの大まかなスペックが決まってしまうという弊害が生まれています。同じ車種でターボの有無が分けられ、最大トルクも2倍以上の差があるのに、サプライヤーの都合で同じミッションが供給されてクルマ作りがおこなわれれば、どうしてもミッションがクルマのイメージに合わないといったグレードも出てきます。そして結論としては、欧州を席巻しつつあるZF(ステップAT)、アイシンAW(ステップAT)、アイシンAI(MT)、ジャトコ(CVT)といった有力サプライヤーの製品と同等以上のモノが作れるメーカーでなければ、より主体的なクルマの設計は無理じゃないか?ということになります。

BMWの日本仕様は一部を除いてZFの8ATが使われています。このミッションの実力がいかほどか?ではなくて、プロの評論家もアマチュアのクルマ好きもBMW車を評価するときにこのミッションを挙げます。ポルシェやフェラーリでミッションの重要性が必要以上に大きく語られることはまず無いですし、911に至ってはMTかDCTかで論争が巻き起こるほど、どちらにも「瑕疵」が見られるほどです。そもそもミッションとは乗り心地に与えるダメージをどれだけ少なくできるか?といった比較的「守り」の姿勢が強い部位と言えます。そしてダンパーにもタイヤにも同じことがいえますが、これらはあくまでクルマの性能をアピールするポイントではなくて、「うまく出来ていて当たり前」の初歩的なものです。よって某欧州系サプライヤーのダンパーを使ったグレードを売りにしているスバルもまたクルマの本質とはズレたことにエネルギーを使っているわけです(もちろんダンパーは重要ですけど)。

高級車には価格なりのミッションやダンパーがデェフォルトで据え付けられているものです。つまりそれなりの価格のクルマであれば、ZF8ATやビルシュタイン製ダンパーと同等以上のものが使われています。なぜBMWともあろうブランドのクルマで真っ先に褒めるポイントがミッションなのか? もちろん「8ATが最高!」とか言っているBMWユーザーなんてクルマのことは何も解ってないアホだと思いますし、同じこと言っている評論家も当然に頭カラッポな訳ですが、もうお分かりだと思いますけど、この馬鹿げた風潮を巻き起こしている大元凶とはまさしくBMWのクルマ作り自体が非常に薄味になっていることなのです。

私の個人的な意見ですがZF8ATを装備したBMW車は、ハッキリ言ってニュルニュルした加速感が相当に気持ち悪いです。まるでクラウンやレクサスをドライブしているような府抜けた気分になります。このZF8ATを絶賛する日本のユーザーはおそらく、BMWに価格相応の高級車感を求めているのでしょうけど、ここまでアクセルコントロールを拒否するような設定のクルマには、私自身はなんの色気も感じないですし、やはり自然吸気に比べてトルク感の立ち遅れが無視出来ないターボの情けないフィールも相まって、アクセルを踏む右足が完全にバカにされたような印象すら受けます。


③「アメリカを向く振りをして中国を向く」

スバルもBMWも近年の新型車はどれもアメリカ市場を目指したクルマ作りゆえに、日本市場とはいくらかの齟齬が生じているといわれます(1シリーズやレヴォーグのような例外もありますが)。しかしこの両ブランドともにアメリカ市場で主導権を握っていく!といった考えはあまり無いようです。トヨタ、日産、ホンダ、ヒュンダイといったアメリカ市場に根を降ろした巨大メーカーとメルセデスはいずれも、アメリカ市場のクルマ作りを遵守し、アメリカ人が喜ぶラインナップを忠実に作り上げています。それは大型ピックアップと、それを補完できる大型SUV、そしてアメリカンラグジュアリーを体現できるフルサイズセダンとマッスルスポーツカーの開発を、ほぼアメリカ市場のためだけに行っています。

そこからするとスバルやBMWが意図するもの(ドメイン、コアコンピタンス)は、非常に内向的です。フェラーリ、マセラティ、アルファロメオ、ランボルギーニ、ベントレー、ポルシェといった、フィアットやVWに属するブランドが追求して体現する「強烈な個性」と競合するには、あまりにも「野蛮」で「普通すぎる」ラインナップです。クルマ自体の魅力ではなく、営業力と知名度で旧態依然な製品の数々を売り抜いてしまおう!という意図が見え隠れします。トヨタが旧態依然のクラウンに中国で人気の2Lターボを導入して、本格的に新興国市場への参入を目指しているのと本質的に変わらないです。

もちろんスバルやBMWがどんなクルマをどこの国で売ろうと知ったこっちゃないですけど、2015年の日本市場ではもはやどちらも大金を出して、何も目新しくない両ブランドのクルマを買う理由などまったく思いつきません。これからの時代にクルマ趣味を気取るならば、ポルシェ、ジャガー、アルファロメオ、日産、ホンダ辺りが良さそうです。

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