2016年7月21日木曜日

トヨタは日本仕様と欧州仕様が違うって本当!?

  「トヨタは欧州向けには真剣に作るけど、日本向けは手抜きが酷い・・・」そんな『都市伝説』があるようです。もしそれが本当ならば、それって大問題じゃないの!?トヨタくらいの巨大メーカーがそんなすぐバレるようなお粗末なことするわけないじゃん。誰かがそんなデマを流しているんだろーなー!とか思いながらも、出自を求めて調べはじめてわずか5分足らずで・・・うそ!そんなバカな〜。うわぁ〜名だたる評論家の著書から続々と見つかるよ。え〜マジかよ!!具体的に名前が挙がっているのが欧州モデルとして知られるオーリスですよ。リアのサス形式が日本と欧州では違うんだってさ。現行モデルでは1.8L車に欧州式が採用されているらしいけど、専門家に言わせれば、同じサス形式でもさらに使っている部品の精度がやはり欧州と日本では違うらしいですよ(どこから出た情報だろう)。

  そりゃ日本と欧州では交通事情がまるっきし違うから、CVTとATを使い分けたりはするでしょうけど、足回りという一般的にはまず交換したりしない根幹的な部品が、全然違うってのはどーいうことだ? そーいえば、私の弱小ブログにも「トヨタは欧州と日本では設計が違うから嫌い!」とか言ってくる人いたっけなー。最初はコイツ何を言ってんだろ?って思いましたけど、なるほどそーいうことだったのですか!?いやー『無知』ってのは恐ろしいことですね。

  有名どころの評論家から、国内モデルと輸出モデルで大きく設計が違うことに関して「メーカーの神経を疑う」くらいに批判にされながらも、国内シェアのトップを守り続けるトヨタもまたスゴいですね(誰もカーメディアなんて読んでない!?)。ただしトヨタが強いのはクルマ所有率が高い中部地方に強いディーラー網を持っているからみたいですね。逆に東京都の杉並区や世田谷区辺りなどの、国内と輸入の両方のブランドが入り乱れている地域ではメルセデス&BMWの好調とともに輸入ブランドが優勢になっているとか。この辺では『スズキアリーナ』とか『ホンダカーズ』とか『ネッツ』とか『カローラ』とか結構閉店しているんですよね。ウチの近所でもカローラが閉店しました。

  最近ではBMWやボルボといった欧州ブランドもトヨタ傘下サプライヤーの部品をたくさん使うようになりました。欧州メーカーに大人気で引く手あまたと言われているアイシンAWの6ATですけど、専門家が言うにはこれも「欧州向けと日本向けではまったく別物」なんだそうです。日本のトヨタ車に使われているのは変速スピードにこだわっていないダメダメなヤツで、欧州メーカー(BMW、ボルボ、プジョー、シトロエンなど)が使うのはライバルサプライヤー(ドイツのZF)に対抗するためにかなりの品質なんだそうです(本当かよ!?)。

  そもそも欧州メーカーに供給されているものと同じタイプの「横置き6AT」を使う国内向けトヨタ車ってどれだけあるの?国内向けですから当たり前ですがHVの全てとFF車のほとんどでは都市部で燃費が稼げるCVTが採用されています。調べてみると、アイシンAW横置き6ATが使われているのは、アルファードやエスティマの3.5Lモデルと、レクサスRX/NXの2Lターボモデルだけです(高価格なモデルばっかだな)。どうやらトルク容量の関係でCVTが採用できないための処置のようです。400万円以上するトヨタ車には「出来損ない6AT」で200万円で買えるプジョー208には「精度の高い6AT」って何かおかしくないですか? もちろん世間で言われているように、トヨタも市場に合わせてクルマを作りわけていますが、そんなにトヨタがクルマを作り分けているのがイヤならば、イギリス工場から直輸入しているアベンシスというクルマを選べば良くないですか?ちなみにこのクルマにはCVTが積まれています。

  実はこのアイシンAWの6ATが欧州メーカーで相次いで採用された理由として、トヨタのライバルと思われていたVW車で大きな実績を作ったからと言われています。ゴルフはDCTじゃないの?ゴルフに6ATなんてあるの?とか目を丸くする人もいるかもしれないですが、北米、中国、欧州(左ハンドル圏)ではゴルフは6ATが採用されています。日本、オーストラリア、タイ、香港向けのゴルフ右ハンドルはメキシコ製ですけども、これらを除いて世界のゴルフの2ペダルはとっくにATが主流になっています。トヨタもダメかもしれないけどVWだってやってることは同じじゃない?「オーリスはダメだ」とか言ってたコメント者は、たしか自称ゴルフユーザーでしたけども、VWを棚に挙げてトヨタをディスるとは・・・いやー『無知』ってのは恐ろしいことですね。

  世界トップシェアのトヨタが「手抜き」なんてするから、VWやメルセデスまでもが真似をするんだ!トップメーカーとしての自覚を持て!みたいなこと言ってくる「クズ」も多数存在します(甘える欧州メーカーの自覚の問題だろ)。あまり言いたくはないですが、あの高名な福野礼一郎氏もそんな1人です(『世界自動車戦争論』参照)。市場ごとに品質を変えて利益を追求するというモデルは、まるでトヨタに全ての元凶であるかのような書かれぶりですね。これまたとんでもない言いがかりなんですよ・・・。トヨタの商売は「大衆的でゲス」だと言いたいのでしょうけども、日本向けと欧州向けの性能が大きく乖離することなんてのは、かなり前の欧州車にもハッキリと見られた現象です。

  ひとつ例を挙げると、日本で大人気となって最高売り上げを記録した2006年-2007年頃のBMWの日本向けエンジンがすでに「2割引」だったんですよ。『残クレ』といってわずかな頭金でもBMWの新車が手に入る制度が導入されてE90系3erを中心に良く売れました。台数が急激に増えれば中古車市場がダブつく・・・この年代のラインナップは日本中の中古ショップで野ざらしにされていて、いまでもE63系6erなんかが128万円!なんて値札を下げて客寄せパンダになってます。タマ数が多いといってもたかが知れてますからねー、要は人気がないんです。E90系やE60系といったひと世代前のBMWは「残クレ車」のイメージが強烈すぎて、街中でもうしろ指をさされてますから・・・タダでも要らないくらい。恥ずかしすぎる(2006年頃からBMWオーナーの質がガタ落ちだと指摘する人も)。しかも中身はドライバーと同じで残念な感じの「2割引」です。(厳密にいうとNB53という形式のエンジンは欧州仕様と比べて日本仕様はトルクが2割低いです。これは排ガス基準に適応するためです。)

   結論としては、トヨタは確かに欧州と日本でクルマの仕様を変えてはいるけども、VWやBMWもまた同様のことをこれまでやってきています。エンジンの出力が2割も失われれば、これはもう全く別のユニットといっていいくらいに中身が違います。VWもBMWもトヨタ傘下サプライヤー無しにはもはやクルマが作れないご時世なのに、「トヨタは日欧で別々に作り分けるから嫌い」とか意味不明なコトをドヤ顔で言っているVWやBMWのオーナーを見かけたら、・・・いやー『無知』ってのは恐ろしいことですね!と内心では思いつつも、哀れみの心を持って接してあげてください。

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