輸入車好きにナメられないクルマ(日本車編)

  相変わらずマヌケなタイトルですねー。我ながらちょっと呆れます。けれどもこういう企画をどんどんやらなきゃダメだーって思ってます。最近ではどうも「価格」でクルマの良し悪しを判断しちゃう情けないオッサンが多過ぎる気がするんです(昔からだね)。それって大学を「偏差値」だけで判断するみたいなものじゃないですか!?

  誰でも大学を卒業して社会に出れば、偏差値を尺度に大学を選ぶことがナンセンスだってわかるものですけどね。それでも「価格」や「偏差値」こそがブランドだと信じて止まない人が多いです(偏見?)。とにかく輸入車乗っている輩って、カネの無いヤツ(頭悪いヤツ)は黙ってろ!!みたいなチンケな理屈を押し通してくるんです・・・。ネット上で相手が何者かも解らないのに・・・。しかもメルセデスAクラスとかポロGTIのユーザーが・・・唖然。

  大変失礼ですが、試乗してみて、その結論がAクラスって絶対に信じられないです!!・・・それでクルマ好き!!って言い張るならこれはほぼ変態のレベル。あれほど欠点がすぐにわかるクルマはなかなか珍しいのに。ホンダのヴェゼルの方がよっぽど良くできてるって!!まずコクピットに座った瞬間に「これは買わない」ってわかるレベルだし。動きだしの瞬間に手応えが無くて、これニュートラル?なんじゃねーの!?と一瞬嫌な予感がして、加速を始めると盛大にエンジン音がキャビンに入ってくる。ディーラーの人が試乗前に慌ててカーステレオ入れる努力の意味がよーくわかる(マツダのディーラーもディーゼル試乗時にやってたけど)。けどそんなカモフラージュなんてド素人にしか通用しないけど・・・。

  別に意図もなくAクラスを批判しているわけではないですよー。まあこういったクルマを選ぶ連中に限って、なぜか徹底して日本車を軽蔑したりするんです。1000万円以上するドイツ車に乗っている常識人なら、500万円のクラウンやフーガの遮音に脅威を感じますから、日本車のスゴさが良くわかっているんですよ。けど「今はフランス車乗ってます」とか「イギリス車乗ってます」とか言ってスカしている輩は、ほぼ日本車の良さなんてわかってないって!!ベントレーやジャガーに乗ってる人は「イギリス車に乗ってます!!」なんて言わないし。MINIやプジョー208なんて「クルマの良し悪し」とは全く別の次元の存在ですけどね・・・日本で売るレベルに達してない。

  「日本車を軽蔑することが生き甲斐」なんじゃないか!?そんな人は結構いますねー。プロのライターさんに先導されてステレオタイプで滑稽なコメントを垂れ流してくれます。「輸入車の方が安全」だと言い張る人とか、「輸入車の方が走る・止まる・曲るのレベルが高い」とか本気で信じ込んでいる人がいますけど、おそらくハマーかポルシェにでも乗っているんでしょうね・・・。

  BMWとか選んでいる輩がそんなコトを吐いていたらマジで失笑です。2000年代以降のBMWを相手にするのに日本メーカーの高級車なんて持ち出す必要すらないです。(BMWの)普通車が相手なら日産・シルフィで十分。SUVならスズキ・エスクード2.4で圧倒できます。とりあえずBMWのストラット脚の1〜4erの味付けは、ほぼほぼシルフィに連なる日産のCDセグ車の1990年以降の味付けをことごとくパクってます。

  北米ではBMW320を飲み込む勢いになっているのが、新たなスポーティモデルのアイコンとなったセントラSR(シルフィに188psのターボ搭載)です。北米でじわじわと人気が出て来たCDセグのスポーツセダン市場では、このクラスにおける北米市場の雄ホンダのシビックと堂々と張り合っています。大衆ブランドの日産とプレミアムブランドのBMWですから、もちろん1万ドル程度の価格差はありますが、日産とホンダが一気に踏み出した「ターボ」戦略は日本をスキップして北米で炸裂しています。

  一方で、三菱の直噴ターボのライセンスからターボモデルを使い初めてからBMWのエンジンは、どうも最近ではもっぱら「生産効率」の方面でばかり目立っています。基幹部分が他社ライセンスですから、独自に勝手な設計変更をするのもかなりやりにくいのでしょうか・・・なんだかもう(生産効率以外の)開発自体を「放置」されているような感じすらします。

  欧州・韓国・中国・台湾のメーカーが使うのが三菱やIHIの和製ターボなのに対して、フォード、マツダ、スバル、ホンダなど独自に開発しているメーカーは、日本製ではなく新たにアメリカの巨大重工メーカーとして知られるハネウェル傘下のギャレット製ターボチャージャーを採用するようになっています。新開発の強みを生かして、旧世代の三菱直噴ターボを越える高効率なユニットを次々と作っています。ターボチャージャーの日本シェアも80%から50%くらいまで下がったとか・・・。日産の1.4Lターボが188ps。ホンダの1.5Lターボが178ps(typeRは2Lで300ps)。

  ちょっと前まで「日本も早くターボ化しないと!!欧州に完全に遅れをとっているよ!!」なんて真顔で言ってくる輩がプロ・素人問わずにいました。私の弱小ブログにも、そんなコメントが幾つも来ましたね。・・・遅れているってよりも、むしろ状況は逆で、最新のBMW・Mに使われる豪華なユニットが1990年代の日産のRB26DETTにすら追いつけていない!!っていうとんでもない状況なんですけどね。360psで登場したA45AMGが市販車では世界最強の2Lターボだと思っている人いるみたいですけど、三菱が2007年に発売したエボXの英国版は当初から400psだったんですけどね・・・。

  さてBMWのSUV。なんとなくキャビンが広くて上質なファミリーカーの代わりとして使われているようですけど、BMWがSUVに手を出して20年近くが経過して、振り返ってみるとセールスはともかく、これまでのところは歴史に名を残す名車が生まれることもなく、ただただ「惨敗」の黒歴史となっています。比較的最近になってFF横置きエンジンとなったX1は、MINIのシャシーをベースにアイシンAWを配備することで、かなり理性的なクルマになったようですが、スズキのエスクード2.4と比べたら「単なる偽SUV」でしかないです。

  ワンクラス上のX3ならばさらにメカ的に優れているのか? このクルマに至ってはドイツに縁もゆかりもない「外様」です。BMWが1〜4erで使う廉価シャシーの販売台数を嵩上げするためにボデータイプを増やしたいけども、すでにBMWには開発・生産をする余裕もない!!ということで、日系メーカーに完全に支配されてすでに仮死状態となっている幾多の東欧二輪メーカーの遊休ラインに目を付けて、そこから選んだマグナシュタイナーに全部丸投げしたクルマです。

  BMWのモノコックシャシーがベースですからオフロードの走破性は全く期待できず。オンロードでもベースモデルでは、巨体に比して非力なエンジンにガッカリ・・・しかもBMWの2Lターボは案外低速トルクが出ないことに気づかされます。ベースがFRなのでトラクションがそもそも苦しいですし、車高が高いので上屋の揺れをトルクベクタリングも付いていないアシでは捌ききれるはずもなく、大袈裟ではなくトヨタのミニバンみたいな乗り味がします(廉価なマツダにだってトルクベクタリングくらい付いてるけどね)。

  BMWにはさらに上にX5というSUVがあります。これはかつてランドローバーを傘下に収めていた時代に、本格SUVシャシーで開発された、BMWとしては極めて異色の立ち位置のクルマです。BMWにとっては、上級セダンやMモデルで使うV8エンジンの生産台数を水増しするのにちょうど良いモデルだったようです。ランドローバーにBMWのバッジが付いた!!という1台で2つの旨味が詰まった商品力が北米ですぐに爆発し、異例のセールスを達成しました。

  ただしあまりに派手に売れてしまったために、ポルシェの新規参入を招き、ご存知のカイエンによって圧倒的な性能差を見せつけられてしまいました。カイエン登場時にはすでにBMW傘下から離脱していたランドローバーは、BMWと共同で開発した「クソ」なシャシーをすぐに廃棄し、新参のカイエンに対抗するために新設計でレンジローバー・スポーツを作り、オフロードはもちろん、カイエンの得意なオンロードでも対抗するモデルへと仕上げました。

  3台のBMWのSUVの中では一番まともだと思うのが新型のX1ですが、複数のカーメディアで「とてもじゃないが400万円の価値はない」と切り捨てられています。まあ確かにホンダ・ヴェゼルが400万円で売っているみたいなものですけどね・・・。X3もX5も置かれた立場を考えると、とてもじゃないですが、価格だけで価値を判断するのは大間違いだと気付かせてくれる見事なまでの「反面教師」です。いつから日本市場はこんなマヌケなクルマに侵略を許すようになったんだろうか!?(X1以外は売れてないけどねー)





  

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