2017年5月7日日曜日

世界の主流エンジンは全部で5種類に絞られた!?

  「日本で売られているエンジンの特色」 本来は私のようなど素人ではなく、カーメディアに長く携わってきたベテランのジャーナリストが著書などで説明することが期待される内容です。メーカーとユーザーの間にできる情報量の不均衡(格差)を少しでも是正するのがメディアの役割なんですけども、日本のカーメディアにおいては、格差を逆に増長しているような気がしてならないです。つい最近まで、多くのカーメディアでは「ガソリンターボこそが最先端のエンジンだ」とされていました。「日本メーカーも早く直噴ターボと取り入れるべきだ!!」と・・・。

  国沢光宏氏をはじめとする「ベストカー」などは、毎回のように「日本メーカーはコスト増を嫌がってターボ化しない!!」というプロパガンダを垂れ流し続け、それに感化されたであろうアホが私のブログにやってきて、「お前は間違っている、さっさとブログをやめろ!!」などなど言いたい放題でしたよ。カーメディアが何を報じていようが、自分の頭で考えているヤツこそがブログを書くべきで、国沢さんの100%受け売りに対して何も疑問に思わないような連中が首をつっこむべきではないと思うんですけどね。結局レクサスや日産が業を煮やして、露骨に下位グレードにターボ、上位グレードに自然吸気orHVを宛てがってくれたことで、「ターボって実は・・・」ということに気がつき始めたようです。

  そもそもターボエンジンって何?・・・ごくたまに本音で語るライターもいましたが、第一義にはメーカーの『利益を極大化する』エンジン『だった』と言えます。メルセデス、BMW、アウディにとっては単一のユニットに別のROMチューンをするだけで手軽にグレード分けができる『魔法の部品』でした。今でもBMWは320iと330iで同じユニットを使っていながら200万円近い価格差を作っています。もちろんROMチューン以外に、遮音材・吸音材・断熱材の量や、排気筒の本数が違ったりするわけですけども、昔みたいに1.6L、2.0L、2.2L、2.5L、3.0Lなど複数のエンジンを用意する必要がなくなりました。

  別にこれ自体は悪いことではないですけども、ユーザーの足元を見るような価格設定はさすがに心証が悪いと気づいたのか、BMW、アウディ以外のメーカーではあまりみられなくなりました。メーカーの自主規制は今後も進んでいくことでしょう。もはや少なくなったので敢えて言及する必要もないかもしれないですが、これまでのカーメディアが、このメーカーの利益ばかりを追求したエンジンを、「最先端だ!!」と伝えてしまうことは、やはりメーカーとユーザーの情報格差を『助長』していました(つまりモラルハザード)。

  2010年頃の段階で欧州に普及したターボエンジンの意義をしっかりと再定義して、著書やレビューなどで明確に発表していたライターが果たして存在したか?・・・この黒歴史(当時の無能ぶり)に立ち返ることなく、どのツラ下げてカーメディアの仕事を継続しているのでしょうか!?果たして彼らにVWや三菱の不手際を批判する資格はあるんだろうか(モラル崩壊の程度は同次元)!?と思う次第です。

  もし現在のカーメディアがいくらかマシになって、少しはまともに機能しているのであれば、日本市場で流通するエンジン(内燃機関)を特徴ごとに、例えば5種類に分類してその特徴を説明するべきだと思います(大人の事情でできねーとは思うけど)。5種類とは「低回転ターボ」「高回転ターボ/NA」「大排気量」「ミラーサイクル/アトキンソンサイクル」「ディーゼルターボ」です。各エンジンはおおよそメーカーの方針に従ってこのどれかに属するように設計されているはずなんですが、中には分類不能なものもあります。例えばマツダの1.3Lや1.5Lの4気筒など(これは手抜き?)。

  それぞれ概要を説明すると、「低回転ターボ」とは比較的にボデー重量があるモデルに使われるタイプのエンジンで、代表的なのがBMWのX1、スバルレヴォーグ、メルセデスAクラスに使われる排気量が小さい方のものです。BMWだと1.5L直3ターボ、スバルだと1.6L直4ターボ、メルセデスも1.6L直4ターボで、どちらも出力のピーク時の回転数が4400rpm、4800rpm、5000rpm程度と低く設定されています。大まかに5000rpm以下のガソリンターボはこれに分類していいと思います。主な特徴はNAと比べて低回転でトルクが豊富なことです。しかし微低速域で重量ボデーを動かす際(駐停車時)にやや欠点が露出します。これらのエンジンを1600kg以上あるモデルに充てがうと、やはり走行性能そのものに不満が出ます。1700kg以上になるとそれが顕著になります。あまり言いたくはないですが「貧乏くさい」ユニットだなー・・・と。

  2つ目の「高回転ターボ/NA」は主に高性能なスポーツモデルに使われるエンジンです。NAだと7000rpm以上、ターボでも6000rpm以上をピークにしているエンジンはこれに分類されます。NAだと
アウディの「EA824-4.2FSI(8200rpm)」
フォードの「5.2Voodoo(7500rpm)」
レクサスの「2UR-GSE(7100rpm)」
日産の「VQ37VHR(7400rpm)」
マツダの「P5-VP・RS(7000rpm)」
スズキの「M16A(6900rpm)」が挙げられます。

ターボだと
ジャガー(6500rpm)
ポルシェ(6500rpm)
アルファロメオ(6500rpm)
日産(6800rpm&6400rpm)
スバルEJ20DIT(6500rpm)
三菱(6500rpm)
ホンダ(6500rpm)
アウディ(6100rpm)
AMG(6250rpm)
フォード(6000rpm)などなど。

  他にフェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンなどのスーパーカーブランドが当てはまります。それらを除いた1000万円以下のモデルを扱っているのに、ここに出てこないブランドは間違っても官能とは言えないはずなんです。逆にこのリストにあるエンジンを搭載するモデル選べば、それはカーメディアが賞賛する「価値ある」クルマです。それなのに日本のカーメディアに最も多く登場し、輸入車ブランドの売り上げ1〜3位に鎮座する著名なドイツブランドの名前がいずれも出てきません。失礼を承知で言うとポルシェとアウディRS以外のドイツブランドはもはや「スポーティ基準」で語る価値なしです。他にもボルボやPSAなども。それなのに「欧州ブランドの官能」とか言われてもさ・・・変態にはついていけねーよ。

  まあエンジンは「高回転」だけが全てではないです。フォード以外は全く高回転エンジンが作れていないアメリカのブランドが存在感を発揮するのが、3つ目の「大排気量」です。特にクライスラーやGMは8気筒で『OHV』という吸排気システムを積んだエンジンを使います。OHVというと70年代の日本車に使われていた旧式の吸排気システムが連想されるようで、カーメディアでもしばしばこれらアメリカの大排気量エンジンを見下すような意見がみられます(いや当たり前のように横行してます)。蛇足ながら付け加えると、4気筒が主流だった日本車のエンジンでは、80年代から吸排気弁を連動させるカムシャフトが備わるのが主流になり、1本シャフトのユニットを「SOHC」、2本シャフトを「DOHC」と呼称しました。当然にDOHCの方がハイテクで、SOHCエンジンを時代遅れ!!みたいに揶揄するのが、残念ながら90年代頃の日本のクルマ文化の一部でした。

  そんな中で、今もOHVが現役のアメリカのエンジンに対して、「正しい対処法」がわかっていないライターが多すぎる気がします。さらにコルベットのユーザーがアメ車の雑誌で「OHVをナメるなよ!!」みたいなことをおっしゃってたりします。アメリカ車を専門に扱う雑誌でもその次元なのか!?・・・これには唖然としましたね(もっとプライド持てよ!!)。クライスラーやGMがOHVのまま使い続けるのは、簡単に言えばカムシャフト機構など不要だからです。

  日本車や欧州車のように小さくてセコイいエンジンには『DOHC』化による高回転高出力化は必須なのかもしれないですが、低速から中高速まで過不足なくパワーが出せる大排気量エンジンにとってそんな小手先の技術などどうでもいいことです。それでは日本や欧州のV8がなぜ『DOHC』化しているかというと、簡単にいうと、「スーパーカーへのコンプレックスの現れ」だと思いますね。400ps、500ps、600psといったインパクトのある数字をスペック表に載せたいだけ。カーメディアもアメ車雑誌もコルベットユーザーも誰もそれを疑問に思わないのか!?クライスラーもGMもそんな馬鹿じゃないって・・・。

  4つ目の「ミラーサイクル/アトキンソンサイクル」とは、それほど大きな出力を必要としない小型車で、CVTを連動させて低燃費を実現させたり、HV用の発電モジュールに使うために、熱効率を理論的に極大化した内燃機関です。トヨタやホンダが実用化しているエンジンでは40%以上の熱効率を達成しているようです。ここでもまた疑念が湧きます。カーメディアがこれまでユーザーに、欧州車におけるガソリンターボの普及は、コストをかけることによってより「高効率」なエンジンを生み出すため!!と説明してきました。しかし市販車では世界最高を競うトヨタやホンダのエンジンは自然吸気(NA)エンジンです。つまり全てのターボエンジンは「高効率」という基準において、自然吸気エンジンに負けているのです。

  エンジンの高効率化には、結果的にほとんど寄与していないのに、無理にターボ化を推進するメリットって一体なんなんだ? モデルによって事情は変わってくるとは思いますが、考えられるのは「スペック上の高性能化を図り商品力をあげること」もしくは「6気筒エンジンを4気筒で代替することでコストを下げること」の2つです。例えば1.6L直4ターボで平均的なスペックとして、最大トルクは「25kg・m」程度になります。これをカーメディアは何のためらいもなく、「2.5L自然吸気と同じ性能」と説明します。アホか!!と言いたくなりますけど、これに騙される人がどうやらめちゃくちゃたくさんいるんですよ。私のブログにも「ポロGTIは2.5L自然吸気と同等の性能で、燃費は1.4L級!!日本車にこれに勝てるエンジンあるの!?」とかコメントしてきた輩がいましたね。これはもう末期症状なので、死ぬまでVWとカーメディアに詐欺られておけばいいんじゃない・・・。

  さて最後の5つ目は「ディーゼル」です。もはや1000万円以下の欧州車が日本で商品力を発揮できるエンジンはこれだけかもしれないですね。日本ではマツダが非常に優れたディーゼルを作ったことが有名ですが、2012年から日本にも投入されたマツダの新型ディーゼルの優位性は、わずか5年でほとんど無くなってしまいました。マツダよりも先に日本でディーゼルを展開していたメルセデスやBMWの2012年当時のエンジンは、お世辞にも褒められたものではなかったですが、マツダエンジンが登場するや、その圧倒的な「静粛性」と「高回転設計」は、あっという間に分析されてしまったようで、現行Eクラスから投入されたメルセデスの新しいディーゼルや、2017年モデルから登場したBMWの新型モジュラー・ディーゼルは、マツダディーゼルのコピーのように静かで高回転になりました。PSAも静かですし、ボルボやジャガーが静かになるのも時間の問題でしょうか。

  ディーゼルのメリットは、低回転ガソリンターボよりもさらに優れた低速トルクと経済性の高さ(ハイオクと軽油の価格差)です。これだけは割とまともにユーザーにその長所が伝わっています。BMW、メルセデス、マツダや他の欧州ブランドにとっても『生命線』と言えるエンジンなので、カーメディアもユーザーに対して誠実になったのでしょうか? EU圏内の約50%のクルマがこのタイプのエンジンを使っていると言われています。賢いEUのユーザーが選ぶだけあって、それだけ他のエンジンと比べても「合理的」な設計だと言えるのかもしれません。

  カーメディアはなかなかこの5種類のエンジンを適切に説明してくれないですから、これから車を検討される方は、クルマのイメージに合ったエンジンを選んで欲しいと思います。

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2 件のコメント:

  1. マツダの1.3Lは可変バルブタイミングでミラーサイクルを行っているそうですし、ミラーサイクルエンジンの一種でいいんじゃないですか?

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    1. コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りなんですけども、
      ミラーサイクルは CVTと組み合わせないと合理的ではないなーと思いまして、
      そんなマツダのブレを指摘してみました。
      もちろん同情の余地はありますが・・・。

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